アメリカン・レモネード

平成最後の夏。

マーブル模様のいちごがしあわせをくれた。

 

15周年のアニバーサリーコンサート。耳障りはお祝いモード全開のそれは、最初から晴れやかな気持ちで臨めたわけではなかった。当落の延期、開催出来るかどうかすら不安視されて、お祝いの名目があるにも関わらずどんなコンサートになるのか、どんな気持ちで行けばいいのか分からなくなる時があった。

でも彼らは着実にわたしたちとのお祝いの準備をしてくれているんだって、日を追う事に少しずつ安心していったのを覚えている。

災害レベルとも言われる猛暑が続いたり台風が近づいたりと天候が心配される中で、当日の熱中症対策なのか室内でのプレ販を2日間も用意してくれたり(結局オタクの財力が勝ってしまって売り切れ続出して当日に並んでも買えなかった方も沢山いたけど)、グッズがめちゃくちゃに可愛かったり、ブログとかラジオで味スタの話題に触れている時みんな熱中症の心配してたり、クラウドでこと細かく雨具とかのアドバイスとかくれちゃったり、グッズが買えなかった人達のために掛け合ってくれてシステム上の都合なのか通販は叶わなかったけどジャニショで販売してくれることになったり。そうだったそうだった、この人達こういう人達だったな、って当たり前のように日々感じてた事に改めてふと気付かされた。

 

いざ蓋を開けてみれば、わたしの小さな小さな杞憂なんて馬鹿みたいだって笑って吹き飛ばしてくれるくらい最高の夏が待っていた。

あんなことあったね、こんなことあったよ、って思い出のページを捲ってくれるセットリストだった。

 

歩み続けた15年を4人が大切に噛み締めて「楽しいね」って笑いかけてくれる3時間だった。

わたしは最初から彼らの全てを見ていた訳じゃない。でも、ステージの4人が楽しそうに歌って踊る姿はキラキラしてて、太陽が出ていた訳でもないのにとても眩しかった。目を合わせて楽しそうに歌う姿を見て、しあわせだって心底思った。

広いステージ上でぎゅぎゅっとまとまっちゃう4人とか、お互い距離があってもしっかり目を合わせてハモる姿とか、ハイタッチしたりハグしてる姿とか。なにもかも、わたしのだいすきなNEWSだった。

わたしにはそれで十分だった。

 

大変だったとか、悲しいことも苦しいこともあったとか、そんな感情は不必要な要素だと思う。それらを全て丸く収めて良かったね、と片付けてはいけないのもよくわかっている。

「NEWSを応援する理由」をここ数ヶ月自分に問いかけていた。

でも結局、わたしは難しいことはよくわからないタイプのオタクなので、絶対的な根拠や動機は見つからなかった。ただ"好きだ"という感情一つだった。そりゃそうだ。自分の人生を潤す楽しい要素であるべき趣味を続ける理由が「好き」か「嫌い」か以外でなんと表せばいいんだ。難しく考える必要なんかわたしにはきっとなかったんだと思った。

 

3年前の夏に出会ったあの時から今まで、たくさんの幸せをもらってるから、わたしはもうそれでいい。

赤いペンライトで埋め尽くされた会場を、大声で歌った一体感を、みんなで見た花火を、だいすきな4人が「ありがとう」って笑ってくれたあの瞬間を忘れたくないと思った。

 

素敵な夏をくれてありがとう。忘れたくない夏になった。忘れないようにしようね。